お宿 玉樹

365段続く石段を中心に温泉旅館が連なる、400年以上の歴史を誇る群馬・伊香保温泉の町並み。温泉街の象徴とも言える石段のふもとに佇む「お宿　玉樹」に足を踏み入れると、心に思い描く「古き良き日本」がよみがえったかのような思いを抱く。館内は洋室を除き、廊下も含めたほぼ全ての床が畳敷き。玄関で靴を脱いで楽になった後は、「これぞ日本」と言いたくなるイグサの香りに包まれる。館内で角を曲がるたび、部屋を出入りするたびに視界に入る草花や人形などのしつらえから感じるのは、日本特有の季節の移ろい。露天風呂や客室の窓から谷川連峰の雄大な景色や石段を眺め、さわやかに吹く風に身を任せてみよう。その時、派手でも華美でもないが、さりげない心遣いにあふれた上質な時間が静かながらも、確かに流れる。国内外問わず多くの人が心に抱く「理想の日本」の姿の一つが、ここにはある。