opus 22
Tachi Miyabi合同会社(東京都)
opus 22はミニ財布から溢れがちな小銭を収納するために開発された、新しい小銭入れ=シン・コインケースです。開発期間に30ヶ月をかけ、試作品数は22個に及びました。製品作りの際に重視したのは、硬貨の見やすさ、取り出しやすさ、持ちやすさです。さらに金具を一切使わず、革と糸だけで蓋が閉じるデザインを考案しました。代表の舘は2013年から小売り事業に特化して製品の企画、リサーチ、仕入れ、開発、販売を行っており、「1mmにこだわる」をブランドコンセプトに掲げるレザーブランド「Age」を2019年4月に立ち上げました。ミニ財布は構造上小銭入れが少ないため、現金で支払いをするとお釣りの小銭が溢れがちです。キャッシュレス化が進む中でも、現金決済のみの店舗がまだ多いため、小銭は依然として必要です。そこで、opus 22を開発しました。
多くの人が小銭入れをつい忘れてしまう点や他人の目に触れる頻度が少ないことを考慮し、ポップなカラーを採用しました。ホックやファスナーを使わない蓋構造で、見やすく出し入れしやすい設計にこだわりました。コイン受け部分が蓋の役割を果たし、折りたたむ際の革の形状や厚みには特に注力しました。革は国産のロロマを使用しており、長く使い続けることで表面のロウが馴染み、美しい経年変化を楽しむことができます。
小銭以外にも四つ折りのお札を1〜2枚収納でき、緊急用としても活用できます。代表の舘が気に入っている使い方は、夕方用のピルケース(お薬入れ)としての利用です。会食や飲み会の際、パンツの前ポケットに入れておくと服用を忘れずにすみます。また、UFOキャッチャー用にたくさんの100円玉を忍ばせて出かけることもあります。日本では革職人が不足しており、外部委託が厳しい状況です。そのため、未経験の従業員を1年間の修行期間を経て育成し、今回のopus 22の生産を担当させました。
ジャンル:インテリア・ファッション