ブラックカレー

明治22（1889）年、東京三田にて創業した130年以上の歴史を持つ西洋料理店「東洋軒」の伝統メニューです。上質な松阪牛脂、秘伝のスパイス、小麦粉などを焙煎して作る漆黒のルゥは、その見た目からは想像ができないほど、松阪牛本来の甘みや旨味が引き立つまろやかでどこか懐かしい味わいです。
このカレーは、昭和の初め「東の魯山人、西の半泥子」と称された陶芸家であり実業家、また食通としても全国に名が知られている川喜田半泥子氏の「黒いカレーができないか」という一言が始まりで、当時の料理長だった猪俣重勝が長い間試行錯誤を重ねて完成させ、今に引き継がれています。
厳選した素材をじっくりと炒め、丁寧に煮込んで作り上げるブラックカレーは、完成までに約1カ月もの時間をかけています。その職人のこだわりと粋人の遊び心があふれた美味しさは、長きに渡り多くの人々に愛されてきました。熟練の技と手間ひまをかけた伝統の味を、ぜひご賞味ください