ねこじゃすり

「ねこじゃすり」は、ヤスリの製造技術を応用して制作したネコ用リラックスブラシです。
広島県呉市仁方（にがた）町は、ヤスリの生産の全国シェア95％を占め、同地で生産されるヤスリは「仁方やすり」と呼ばれています。「ヤスリ」とは、細かな部分を研削する手動工具で、木や金属などを削って寸法を整えたり、小さな錆びを落としたりなど、様々な場面で活躍し、日本の工業を支えてきました。その始まりは、江戸時代末期の1800年代と言われており、刀鍛冶を祖とする私たちは、同地で1890年よりヤスリを製造しています。最盛期には90社近くの会社がありましたが、安価な海外製の製品に押されて、現在は10社ほどとなり衰退の一途をたどっています。私たちは、培われてきた高い技術を後世に引き継いでいくため、6代目となる女性後継者が事業に参画し、長年工具を制作していた職人の技を活かしながら、現代の暮らしに沿った様々な製品を開発しています。「ねこじゃすり」の開発のきっかけは、料理用の皮むきのヤスリを開発していた際に、試作品を自宅に持ち帰り、ふと目の前にいたペットのネコをなでてみたところ、ネコが喜んでくれたことがきっかけです。ネコの舌の表面は、ザラザラとしており、自分の体をなめて毛づくろいをする際のブラシの役割をしています。ヤスリも同じくザラザラとしており、ヤスリでなでた際にネコが喜んだ理由が「ネコの舌とヤスリの構造の類似性」にあることに気が付き、「ネコ向けの商品」として試作を重ね、本商品を完成させました。商品名は、ネコが喜ぶおもちゃの代表格「ねこじゃらし」に「ヤスリ」を組み合わせて名付けました。毛づくろいの行為は、ネコにとってリラックスやネコ同士のコミュニケーションを生むものと言われています。私たちは、「ねこじゃすり」を通じて、ネコへの最高の癒しとネコと飼い主の信頼関係の構築に役立てたらと考えています。