ゲストハウス　わがらん家

世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の一部を有する三重県熊野市。町を歩いていると、一軒の古民家に気付く。ここが、町と人をつなぐゲストハウス「わがらん家」だ。紀州の言葉で「私たちの家」という意味のこのゲストハウスは、築約100年になる古民家を改装したもの。中に入ると、幼い頃「おばあちゃんの家」で過ごした夏休みのような懐かしさを感じる。モノはなくとも心は豊かだった昭和時代を思わずイメージする。歩く度にきしむ廊下に、頭上のはりが頭に当たりそうな階段。その全てが「古き良き日本」を体現している。宿泊プランは素泊まりだけ。浴室も備え付けられていないので近隣の飲食店や銭湯を利用してみると、これがまた趣深い。地元の人が皆温かく、気軽に交流を持てるのだ。「わがらん家」には、「泊まりに行く」というかしこまった気持ちはいらない。「家に帰る」という感覚で足を運ぼう。