せんべい炭火焼体験

福島県喜多方市では、立ち並ぶ蔵で醸造されるしょうゆと、地元産の米を使った伝統米菓「たまりせんべい」が昔からよく食べられてきた。この町にある「山中煎餅（せんべい）本舗」は、今も職人による手焼きにこだわる店。店内に入るとまず、七輪の炭火が目に飛び込んでくる。ここでは、職人のように炭火を使った煎餅の手焼きができるのだ。体験では、生の煎餅を焼き棒に挟み、リズミカルに回して焼け具合を見ながら熱を通す。煎餅が白っぽくなり一気に膨らんできたら、炭火にぐっと近づけ全体に火を回して丸く膨らむように両面を焼いていく。表面が香ばしく色づいたら完成だ。一見単純なようだが、美しい円にするのが難しく、思わず集中してしまう。全て焼き上げるまで、長くても15分前後。垣間見る職人の卓越した技術と、一枚一枚手を抜かずに焼き続ける愚直なまでのその姿勢に、感銘を受けるだろう。