SYLANIS

「SYLANIS」は、ラテン語で“森”を意味する“Sylva”からインスピレーションを得て名付けられた横置き型の香炉です。森の力強さや美しさ、そしてそこに暮らす人々の静かな営みをテーマに、自然と生活の調和を目指して製作されました。香りを楽しむ行為が心を整え、空間と調和する時間となるようにとの思いが込められています。この香炉は線香を横に寝かせて焚く構造により、燃焼を安定させ、灰の飛散や風による消失を防ぎます。従来の縦型香炉の不便さを見直し、現代の暮らしに合った安全性と快適性を追求しました。本体には国産ヒノキ材を使用し、仕上げには職人の手で一層ずつ丁寧に本漆を摺り込む「摺り漆」を五度重ねることで、艶やかで奥行きのある風合いと高い耐久性を実現しています。蓋の意匠には日本の伝統文様である「葵の葉」「七宝」そしてシンプルな「一」の3種類を展開し、古来より縁起や調和を象徴する意匠であり、香りの器にふさわしい品格と静けさを漂わせています。この香炉は、自然の恵みと日本の美意識、そして現代の生活に寄り添う機能美を融合させた製品で、使うたびに心が整い、暮らしの中に“森”の静けさと豊かさをもたらす、新たな“おもてなし”のかたちを作り出します。