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その他 2020.07.21

【セミナーレポート】外国人マーケター&記者に聞く!外国人の心をつかむ商品の魅力的な伝え方

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7/15(水)におもてなしセレクション主催で実施したWEBセミナーのレポートをアップいたします。
本セミナーでは、実際に海外展開を行う事業者の声を踏まえながら、日本企業の商品の魅力が伝わる海外PR戦略の在り方を、外国人有識者2名をお招きしてディスカッションをいたしました。
その一部をご紹介いたします。

パネリスト紹介
・Lloyd Besin氏(パネリスト/マーケター)
・Lisa Wallin氏(パネリスト/記者)
・富樫義久(ファシリテーター/OMOTENASHI Selection事務局長)

第一部:外国人が思う「日本らしさ」とは
――――――お二人が「日本らしい商品」と聞いて思い浮かぶキーワードとは?
Lloyd氏:
 日本らしいストーリーがあるもの、歴史があるものは日本らしさを感じます。
 伝統的な方法で作られた伝統工芸品などですね。
 日本はモダンというイメージもありますが、一番は背景にある歴史やCraftmanshipだと思います。
Lisa氏:
 一番ぱっと思い浮かぶのは、「わかりやすく伝統的なもの」。漆器、包丁、着物などですね。
 ストーリー性があるかどうか、というのはわたしも大切だと思います。
 ですが、ロボッティクスなどの特定の分野のテクノロジーは日本が進んでいるなと思うので、
 日本を連想します。

――――――それでは、逆に「魅力的に感じない日本の商品」とは?
Lloyd氏:
 地元で買えるものですね。日本でしか買えないものではないと、
 わざわざ日本のものを高く買いたいとは思いません。
 例えばフィリピンでは、果物などはとてもポピュラーです。
 日本のマンゴーなどは高く売られていますが、
 日本独自の製法など、その商品の独自性に納得しない限りは、中々買う気にはなりません。
Lisa氏:
 それはそうですね。ただ、地元でも買えるものだけど、「日本限定」のものなどは惹かれます。
 例えば「Kit Kat」は世界中どこでも買えますが、わさび味とか抹茶味とかは日本でしか買えないものです。

 お土産としてとても喜ばれます。うまくローカライズしていると思いますね。
 日本酒の味とかも、みんなびっくりして喜びます。

――――――お二人の意見を踏まえて、外国人が商品を選ぶポイントを整理すると以下のような軸で整理できるかと。

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・横軸:「日本らしい」もしくは「日本らしさがない」
・縦軸:「世界的に使われている・知られている」もしくは「日本でしか使われていない」
(例)キットカットは世界的に知られているが日本らしさがある、といえる

第二部:実際の商品レビューを通じた魅力的な商品の伝え方とは
――――――ここからは、実際に外国人であるお二人から見て「いいと思う点」と「もう少し改善できる点」を実際の商品を見てレビューしていただきます。

(1)高機能くつした
富樫:
 このくつしたは非常に高機能で、履くことで疲れにくくするという特徴がある商品です。
 いかがでしょうか。
Lloyd氏:
 製品の作り方が「detail oriented」ですね。とても職人技を感じます。
 ただ、くつしたに対して「疲れない」というニーズがあるのかは疑問です。
 通常のくつしたより多少高額なので、ニーズがあいまいなままで作るのはもったいないと思います。
 「日本らしい製品」として「海外」に展開するには適切なマーケティング戦略が必要かと思います。
Lisa氏:
 このくつしたはとても高機能で、実際に私も履いてみて、ああここまで考えて作られたんだ!と理解しましたが、
 ぱっとこれを見てすぐに「日本らしい」とは思わないですね。
 ただ、足先が足袋のようになっているものもあるので、そのスタイルは日本らしいのでわかりやすいです。
 機能性の高さが特徴なのですが、すぐに伝わらないのがもったいないですね。
 商品の良さは履いてみてわかりましたが、最初は「本当?」と、正直疑いから入ったので…。
 足がむくみやすい、妊婦の方をセールスターゲットにするのもいいかもしれないです。
富樫:
 おっしゃる通り、くつした自体は、どこにでもあるものですから、わざわざ日本で買うには、
 「日本らしさ」か「特別な機能性」を伝えるマーケティングやプロモーションが必要
ということですね。

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(2)富士山の形のカトラリー
富樫:
 こちらは、抗菌機能も施されているカトラリーです。
 いかがでしょうか。
Lloyd氏:
 私はこれ、とってもいい商品だと思います。
 まずデザインがシンプル、ミニマル、そして富士山。「ミニマル」や「シンプル」は日本の特徴のひとつです。
 そして、この「触り心地」がとても良い。海外には、「触り心地」を説明する単語がないんですが、
 デザインだけではなく、とてもマットで触り心地がよく、高品質さを感じられます。
Lisa氏:
 確かに富士山の形は日本らしいですね。富士山は世界中で有名な日本のシンボルですから。
Lloyd氏:
 ただ、気軽に使えるものにはいいけど、あまり高級なものに富士山が使われ過ぎると、
 逆に安っぽく見えることもあるので難しい
ですが。
Lisa氏:
 この商品は美しい桐の箱に入っていてとても日本らしいですね。
 ただ説明書がないので、どれをどう使えばいいのかわからないという難点もあります。
 箱の美しいデザインを邪魔をしない程度に英語で少し説明書きなどが欲しいですね。
Lloyd氏:
 海外ではキッチンセットをばらばらではなくまとめて買う習慣があります。引っ越したり、結婚したときとか。
 なので、たとえば人生の節目に合わせたセットを作って売るなどもいいかもしれません。

(3)ご飯を炊く土鍋
富樫:
 こちらは、日本の伝統的な土鍋ですね。
 いかがでしょうか。
Lloyd氏:
 とても良いCraftmanshipを感じます。日本の良いものであることをもっと伝えるべきだと思います。
 確か、価格が結構お手頃だったんですよね。
 価値があるのにお値段が安すぎることで、逆に良さが伝わらない可能性があります。
 ロンドン等、外国の都市部には日本のセレクトショップがありますが、
 日本のものが海外で5倍の値段で売っていることはよくあります。
Lisa氏:
 私ももっと高いものだと思っていました。日本では多く流通しているからでしょうか。予想より安いです。
 欧米の場合は、お米で料理を作りたいと思っても、この土鍋でチャレンジするにはハードルが高すぎると感じますね。
 お米の種類が違うし、やり方がわからないです。
 たとえば、お米を炊くこと以外でも使えることや、使い方がイージーであることをもっと訴求してはいかがでしょう。
 日本からインスパイアされたレシピとセットで伝える、なども効果的だと思います。
Lloyd氏:
 そうですね、商品の持つストーリー、提供価値をイメージできるようにするのが良いと思います。
Lisa氏:
 こういった日本の伝統工芸品などは、使い方を一緒に訴求することが必要だと思います。
 どうやって使えばいいかわからずに購入しない外国人も多いと思います。
 例えばお米の他にプリンが作れる、パエリアが作れなど、
 色々な使い方ができるのがこの商品の良さです。
富樫:
 ありがとうございます。
 土鍋と言えば「日本でしか使われていない」ものの代表のように感じてしまいますが、
 使い方、ストーリーを通じてその魅力を訴求することが、ポイントになりそうですね。
 レシピブックを一緒につけるなどすると多少お値段が上がるかもしれませんが、
 むしろ、もっと高い値段でも売れるという意見は非常に参考になりました。
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 先ほどお二人からあった内容を、上記の図にまとめてみました。
 くつしたは、右上の「機能性の訴求」、カトラリーは、左上の「日本らしさの訴求」、
 土鍋は、左下の「使い方の訴求」に分類できるのではないかと思います。
 右下に該当する商品は、海外向けという観点においては選ばれる理由に乏しいので、
 ポジショニングを変更する必要があると思います。
 自社の商品が、この4つのカテゴリのどこに位置するかを検討したうえで、
 商品のPRの仕方を変えていくというのが大切
ですね。

第三部:おもてなしセレクションの活用
富樫:
 ここからは弊事務局が運営する「おもてなしセレクション」を活用して
 商品の魅力の伝え方を改善する方法についてお話したいと思います。
 先ほど挙げたように、自社商品が外国人から見て、
 上記4つのどこに該当するのかというのは、日本人だけではわからなかったりします。
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 外国人に実際にフィードバックをもらうことが大切ですので、
 おもてなしセレクションでは選定会を通じて、外国人有識者がタッチ&トライ形式で商品を選定し、
 選定結果をフィードバックすることで、マーケティング結果として活用いただくことができます。
 ほかにも、販促支援、販路支援、PR支援などもワンストップで実施できるのがおもてなしセレクションの特徴です。
 自社賞品の魅力の伝え方にお悩みの企業様はぜひ、ご活用いただければと思います。

 

<本セミナーに関するお問い合わせ先>

OMOTENASHI Selection事務局 (ENGAWA 株式会社内)
TEL: 03-6721-0956  E-mail:info@omotenashinippon.jp
受付時間:月曜日~金曜日 午前10時~午後6時 ※祝祭日・年末年始除く