二十四の瞳映画村（岬の分教場）

穏やかな瀬戸内海に浮かぶ香川・小豆島（しょうどしま）。フェリーでしか渡れないこの島は美しく優しい海に囲まれ、その大部分は豊かな緑をたたえる山々だ。この島を舞台にした邦画の金字塔「二十四の瞳」で描かれた風景の名残を今も感じさせる。これまで何度も映画化、ドラマ化などがされたこの作品。「二十四の瞳映画村」には、今なおその熱気がこもり続ける。この映画村は1987年に2度目の映画化がされた際のロケ用オープンセット。近代化が進みながらも、今もどこか昭和の面影を残す小豆島の中に違和感なく溶け込む。映画のように、曲がり角から自転車に乗った女性教師や駆け回る子供たちが飛び出してきそうだ。映画村の約700m横には実際に使われていた木造の「岬の分教場」も佇み、初めてでもどこか懐かしい気分に。ここは映画のロケ地というだけではない。多くの町が失ってしまった、日本の原風景に出会える場所なのだ。