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2017年 金賞

落合楼村上
和のコンシェルジュがプロデュースするプラン

国登録有形文化財の宿 落合楼村上(静岡県)

国の有形文化財に登録される木造建築は、昭和ロマンとでも形容すべきか、上質な「和モダン」雰囲気に満ちている。この昭和ロマンを象徴する場所が、島崎藤村・北原白秋など文人墨客たちが愛したラウンジである。丁寧に磨き込まれた柱や梁、レトロな調度品、窓から聞こえる狩野川のせせらぎ、まるで時間の流れを忘れるかのような空間だ。純和風の客室には、黒柿や紫檀などの銘木による床柱や組子細工の障子など、細かな部分まで贅を尽くしたしつらえに感嘆する。かつて、名人と呼ばれた職人たちが一切の妥協なく最高の技術をもってつくりあげた「作品」だからこそ、多くの文人に愛され、有形文化財に選ばれたのだろう。そんな落合楼村上のおもてなしを仕切るのは、和の日本旅館、洋の高級ホテル双方のおもてなしに精通した女将である。その女将が力を入れていることが、「和のコンシェルジュ」の育成だ。いつの時代も日本文化の担い手たらんとする落合楼村上の志をここに見ることができる。

国登録有形文化財の宿 落合楼村上(静岡県)

2017年 金賞
ジャンル:宿泊施設