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2017年 金賞

かつおの天ぱく「鰹の燻し小屋」

まるてん有限会社(三重県)

はるか遠くまで見渡せる太平洋の大海原がまぶしい三重県志摩市波切(なきり)大王崎の突端に、かつおの天ぱくの「鰹(かつお)の燻し(いぶし)小屋」はある。かつて伊勢神宮への献上物である「かつお節」の一大産地だった波切も、今やかつお節生産業者はわずか3軒を残すのみである。この地で、伝統的な「手火山製法」にこだわり、神嘗祭(かんなめさい)への献上をものづくりの源流とし、「波切節」を継承しているのが天ぱくである。天ぱくは、100年以上前の「燻し小屋」を開放し、かつお節の歴史や製法、神々と人々の「食の関係」を伝える「ツアー」を開催している。そこで目にする風景は、「神々に捧げ、神々と共に食する和食」の原風景である。「利便性や効率」を求めがちな現代人に、食に対する感謝の念、伝統文化に対する尊敬の念を呼び起こす機会となるだろう。波切の燻小屋は、「飽食の時代」に我々が忘れていた大切なものを教えてくれる場所である。

まるてん有限会社(三重県)

2017年 金賞
ジャンル:体験プログラム